呼吸器内科・アレルギー科・内科

いわさきJクリニック

過換気症候群

どんな病気?

人間は呼吸を無意識の状態で行います。呼吸の調節は脳が勝手に行いますので、運動時により多くの量の酸素が必要となれば、勝手に呼吸数が早くなりますし、寝ているときに酸素消費量が少なくなれば自然に呼吸数は減少します。
 本当は酸素の量が足りているのに息苦しく感じてしまったり、精神的な要因で呼吸がはやくなってしまった場合は、たくさんの酸素を吸うことで、身体の中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れてしまうことがあります。血液中の二酸化炭素濃度が低下し、pHアルカリ性に傾きます。この状態を過換気症候群(過呼吸)と呼びます。

どんな症状がでるの?

息苦しさ、息が吸えない感じがするそうです。吸っても吸っても空気が肺に入っていかない感じ、このまま死んでしまうんじゃないかという不安に襲われることが多いようです。そのまま改善なく症状が進むと、こんどは両手がしびれてきたり、指が伸びきってしまったり外側に回転してしまったり(テタニー)、さらに進むと意識がなくなってしまうこともあります。しかし意識がなくなると、逆に息苦しさを意識しないので、呼吸の調節を脳だけが行い、正常の状態に戻します。つまり、意識消失から回復したときには過換気症候群は治っていることが多いです。

どうやって診断するの?

過換気症候群の既往や精神疾患の有無などの問診と、症状発症から現在までの状況がわかれば、この疾患を疑うことができます。正確には動脈血の採血でわかる血液ガス分析を行うと、診断が確定します。

どうやって治すの?

以前はペーパーバッグ法といって、紙袋の中で呼吸を繰り返すと治ると言われていましたが、現在はこの方法は勧められていません。
 口をすぼめて吐き出す呼吸法実践させ、本人の気分が落ち着いてくると徐々に回復してきます。どうしても改善がない場合は少し眠たくなる薬を注射で入れてあげて、起きたときには回復しているという方法を取ることもあります。
 基本的にはこれだけで、過換気症候群の状態を放置したとしても命の危険が及ぶようなことにはならないので、落ち着かせることが重要です。
いわさきJクリニック

なにに注意したらいいの?

過換気症候群を何度も繰り返すような人は、苦しくなったときの呼吸の仕方を覚えておくとよいでしょう。症状が出そうになったときにすばやく対応すれば、そのまま改善することがあります。
 口すぼめ呼吸といって、鼻から吸って、口をすぼめた状態で長く息を吐きます。
 この呼吸方法がマスターできれば、苦しくなったとしても自分で回復することが可能です。逆にこれができなければ、呼吸苦がでる度に、また苦しい思いをするのか、死ぬ思いをするのかと不安が増し、症状は増悪します。 

当院では・・・

当院では動脈血での血液ガス分析で確定診断はできませんが、症状と状況から過換気症候群を疑い治療することが可能です。また正しい呼吸法を指導することで、今後の再発に備えることができます。
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お問合せはTEL: 095-828-5556
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