呼吸器内科・アレルギー科・内科

いわさきJクリニック

かぜ症候群・上気道炎

どんな病気?

最もなじみの深い病気だと思われますが、その定義となると意外に難しいです。「上下気道症状を有する自然寛解する急性上気道感染症」と定義されます。簡単にいうと、せき・のど・はなみずの症状があり、急にはじまって勝手に治るもの、ということです。原因のほとんどはウイルスで、一部細菌性のものもあります。潜伏期間は原因ウイルス、細菌によってまちまちですが、半日から1週間程度と差があります。
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どんな症状がでるの?

症状としては、せき、のど、はなで発熱を伴うこともあります。また熱による症状(頭痛、関節痛、倦怠感)も挙げられます。一般的にはウイルス性であれば複数の症状が左右対称に出やすく、細菌性であれば特定の部位に左右差をもって症状が出ることが多いとされます。発症早期にはのどの腫れがひどく、発熱や頭痛、倦怠感など熱に伴う症状が目立ち、徐々に全身症状は改善したあと、鼻水とせきが悪化することが多いです。徐々に痰を伴うことも増えます。せき、痰、鼻水が1~2週間続いて自然軽快します。

どうやって診断するの?

症状から疑いますが、断定するのはものすごく難しいです。それよりも大事なことはかぜ以外の疾患を否定することです。例えば、肺炎、結核、副鼻腔炎、急性扁桃腺炎、インフルエンザ、その他アレルギー疾患などなど。その他の疾患を否定できればかぜと診断してよいと思います。あとはその後の経過が重要です。数日でピークを過ぎて、その後自然軽快するようであればやはりかぜを考えますし、症状が続く、どんどん悪くなる、一旦下がった熱が再度上がるなどの症状があったらかぜ以外を考えて注意が必要です。

どうやって治すの?

かぜの原因ウイルスをやっつける薬は地球上に存在しません。早く治す方法はと聞かれると、安静、睡眠、保温、発汗、十分な水分補給と答えるしかありません。薬はつらい症状を軽くするためには使いますが、治るわけでも、治るのが早くなるわけでもありません。薬は飲んでも飲まなくても治るまでの時間は変わりません。また、抗生剤も細菌には効きますがウイルスにはまったく効果なく、ほとんどがウイルス性であるかぜには効きません。効かないばかりか副作用のリスクは変わらないわけですから、安易に飲むべきではないと考えます。

なにに注意したらいいの?

なんと言っても安静と睡眠です。無理をしてこじらせるともっと大変になります。また、長引く熱や、一旦下がった熱が数日後に再度上がるなどの症状は肺炎の合併を心配します。再度の医療機関受診を勧めます他人に移すかどうかですが、マスクや手洗いなど一般的な対策で十分でしょう。完全に防ぐことは不可能ですし、心配しすぎるのも良くないと思います。

当院では・・・

症状を和らげるお薬と漢方薬を併用して治療します。基本的には抗生剤を使用しませんが、細菌感染を疑う症状があれば、適宜投与します。
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お問合せはTEL: 095-828-5556
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