インフルエンザ・予防接種
どんな病気?
インフルエンザウイルスによる急性感染症です。日本では毎年11月ごろからみられはじめ、1~2月頃に流行のピークを迎えます。3月になると減少し流行を終えます。前半はA型が多く後半にはB型が流行するという傾向もあります。以前と比べて4月以降も患者がみられたり、海外で感染して季節外れに発症がみられたりなどということもあります。潜伏期間は1~3日と言われています。
予防接種はその年に流行すると予想された株を無毒化したものを打ちます。それによりかかりにくく、かかっても重症化しにくくなると言われています。絶対に打たなければならないものではありませんが、日本ではかなり一般的になってきました。
どんな症状がでるの?
突然の高熱、また熱による頭痛、関節痛、全身倦怠感などが主な症状です。のどの痛みやせき、鼻水、時として嘔気や下痢などを伴うこともあり、症状だけでは鑑別が困難なこともあります。また同時に寒気を訴える患者さんも多いです。無治療でも3~4日で解熱、そのまま自然治癒します。
どうやって診断するの?
迅速診断が可能です。鼻の中に細い綿棒を入れて、喉の奥の粘液を採取します。約10分くらいで診断がつきます。迅速で手軽に検査が出来ますが欠点もあります。的中する確率が100%ではありません。本当はインフルエンザなのに陰性(インフルエンザではない)と診断されることもあります。また、発症から早期の場合(半日以内)、的中率が下がります。その場合には時間をおいてもう一度検査する場合もあります
どうやって治すの?
自然治癒する病気ですからなにも薬を飲まなくても治ります。症状を楽にするだけであれば、解熱剤や漢方薬の併用などで対症的に治療を行います。また抗インフルエンザ薬も一般的となりました。内服薬、吸入薬、点滴があります。使用することで発熱の期間が少し短くなることが期待されます。
なにに注意したらいいの?
熱が出はじめてから5日間は他人にうつす可能性があるので、人との接触は避けたほうがよいです。学校の場合は出席に関する決まりがありますので、担任の先生に問い合わせてください。社会人の場合は法律はありませんが、その期間は出社を控えるのが一般的です。
インフルエンザのあとに、まれに肺炎を合併することがあります。5日以上熱が続くとか、せきがだんだんひどくなってきたなどがありましたら、病院で相談してください。
当院では・・・
発症から二日以内であれば、抗インフルエンザ薬の使用をお勧めします。それ以上経過しているのであれば、抗インフルエンザ薬を使用してもしなくても治癒までの時間が変わらない可能性があるので、対症療法のみとすることが多いです。